ピタゴラス数




【 ピタゴラス数とは 】

  ピタゴラス数とは,x2 + y2 = z2を満たす自然数x,y,zのことで
 この3つの数の長さの辺を持つ三角形は直角三角形になります.
 学校の授業で直角三角形が出てくるとよくピタゴラス数が使われます.

  みなさんはどんなピタゴラス数を知っていますか?
 有名で簡単な計算でよく出てくるのは,(3,4,5),(5,12,13),とこの2つを
 数倍したものくらいでしょう.

  もう少し難しいのでは(8,15,17),(7,24,25)などですが,
 中学や高校の問題を見るとこれらの数字ばっかりです.
 これだと少し飽きてきませんか?
 そこで,自分でピタゴラス数を探して見ましょう!

【 ピタゴラス数の求め方 】

  みなさんは自分でピタゴラス数を見つけろと言われたら,どうやって見つけますか?
 適当に2つの平方数を加え,その和が平方数になっているか,というやり方を
 する人が多いと思いますけど,それではなかなかピタゴラス数は見つかりませんし,
 数が大きくなれば和が平方数になっているかすらわからないでしょう.

 ◆そこでピタゴラス数を求める式があります.それは,
 (m2−n2)2+(2mn)2=(m2+n2)2   m,nは自然数
 の式で求められます.例えばmに2,nに1を入れると,
 (m2−n2)=3,(2mn)=4,(m2+n2)=5となって(3,4,5)となります.

  では次にmに4,nに2を入れて求めてみましょう.
 計算できましたか?(12,16,20)が求められましたね.
 
 ここでこの数はさっきの(3,4,5)の4倍の数だと気づく人もいるでしょう.

  確かに(12,16,20)もピタゴラス数です.
 しかしこのように数倍した数はわざわざ計算をしなくても求められますね?
 そこでm,nに新たな条件を加えます.
 それは,
   m,nは互いに素で一方は奇数,他方は偶数 です.
 自然数であり,さらにこの条件を加えると数倍されていない(互いに素である)
 ピタゴラス数(原始的ピタゴラス数,既約なピタゴラス数と呼ぶ)が求められるのです. 
  この条件のもと,m>nとしてm=9まで計算しました.  
表1
2−n2 15 21 35 11 45 33 13 63 55 39 15 77 65 17
2mn 12 24 20 40 12 60 28 56 84 16 48 80 112 36 72 144
2+n2 13 17 25 29 41 37 61 53 65 85 65 73 89 113 85 97 145

  同じ行の下3列の数字が互いに素であるピタゴラス数になります.
 この式を使えば(33,56,65)のように紙面で計算するには二乗するのも
 面倒な程大きい数字のピタゴラス数を求めることができます.

 なぜ上の式でピタゴラス数を求めることができるのか疑問に思った人は → ここをクリック 

 ◆上の式がピタゴラス数を求める一般的な式ですが,
 他にもピタゴラス数を求める方法はいくつかあります。
 その中で有名でわかりやすい方法は
 2+2n+1=(n+1)2
 の式を使います.高校の始めに因数分解で習いましたよね?

  この因数分解の式をどう使うかわかりますか?
 2+(2n+1)=(n+1)2
 というように見るとわかるでしょうか.
 左辺のnと右辺のn+1が2乗していますよね?
 ここで2n+1が2乗された数(平方数)になっていれば
 nと2n+1の平方根とn+1でピタゴラス数になる,ということです.

  2n+1は奇数なので,例えば2n+1=49(=72)とすると,
 n=24,n+1=25となるので(7,24,25)とピタゴラス数が見つかります.
表2
2n+1 25 49 81 121 169 225 289 361 441
√(2n+1) 11 13 15 17 19 21
12 24 40 60 84 112 144 180 220
n+1 13 25 41 61 85 113 145 181 221


  この表2を見て何か気づきましたか?
 大きい2数の差が必ず1になりますね?
 これは公式の性質上(nとn+1があるから)そうなるのです.
 そして小さい数は必ず奇数ですよね?これも奇数の平方根なので奇数になるのです.
  このことから,この公式を使う方法は手っ取り早く
 任意の奇数(1を除く)と,その数を2乗した数を差が1になるように分けた2数はピタゴラス数
 と日本語だけで言いかえることができます.

 例)3の2乗の9を差が1となるように分けた4,5  → (3,4,5)
   9の2乗の81を差が1となるように分けた40,41 → (9,40,41)

  まだまだピタゴラス数の求め方はありますが,とりあえずこの2つの方法を知っていれば
 相当な数のピタゴラス数を求めることができるでしょう.

【 ピタゴラス数の性質 】 

  最後にピタゴラス数の性質を簡単に紹介しましょう.
 今までで求めたピタゴラス数の表1,表2をよく見てください.
 どのピタゴラス数にも1つには1の位が0か5の数字がある気はしませんか?
 
 そうなんです.必ず1の位が0か5,つまり5の倍数がピタゴラス数にはあるのです.
 そして気づきにくいのですが,斜辺以外の2数には3か4の倍数が必ず1つあります.
 以下の文はピタゴラス数の性質についてまとめたものです.

   a,b,cがピタゴラス数(cが斜辺)のとき次のことが成り立つ.
   @ aかbは,3の倍数である.
   A aかbは,4の倍数である.
   B aかbかcは,5の倍数である.


  いわれてみると確かにありますね?     証明はこちらから → ここをクリック     
  さらに@とAから a と b の積は12の倍数であり
  @とAとBからピタゴラス数の3つの積は60の倍数であることが導かれます.
 
  また,a = m2−n2 ,b = 2mn ,c = m2+n2より
  c+a=2m2
  c−a=2n2
  b+c
=m2+2mn+n2=(m+n)2なので,
  c と a の和,差は平方数の2倍になる. 
  b と c の和は平方数になる.
ことがわかります.

  みなさんも自分で確かめてみてください. 
  注)ピタゴラス数(a,b,c)でcは斜辺で一番大きい数ですが,aとbは 
  必ずしもa<bとは限りません.mとnの値のよってはa>bになることがあるので
  和,差を確かめるときはどちらがaで,どちらがbか注意してください.